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ありがとうございました |
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東北大学 金属材料研究所 附属 産学官広域連携センターHPの最終のコラムになります。 2006年4月に「大阪センター」としてスタートした私共の事業も、その後「関西センター」「産学官広域連携センター」と名称を変え産学連携の活動を続けて参りました。その間、センターHPにて活動報告や情報発信をしておりましたが、2011年6月に「コーヒーブレイク」というカジュアルなコーナーを設け、その後HPのリニューアルと共にタイトルを「コラム」に変更し、仙台・大阪・兵庫を発信元としてこれまで大学や、施設の垣根を越えて色々な方々にご寄稿いただき、今回が392回目のコラムになります。
あらためまして長年にわたり私共のセンターHPに、多種多様な話題で彩を添えてくださいました事にこの場をお借りして心から深謝申し上げます。皆様のご多幸とご健勝を心よりお祈り申し上げ、挨拶にかえさせて頂きます。
(2024.3.21 堺より) |
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バロック音楽(9) 2つの愛の歌 |
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西洋音楽におけるバロック時代は17世紀始にオペラの誕生とともに幕を開けました。日本では関ヶ原の戦いの頃です。生まれたばかりのオペラを立派な青年に育てたのがモンテヴェルディです。彼の最後のオペラ「ポッペアの戴冠」は、皇帝ネローネが、諭す哲学者に死を命じ、正妻である皇后を追放し、愛人ポッペアと結ばれるという物語によります。終幕、最後に歌われるネローネとポッペアによる二重唱は、不倫の成就というよりも、まるで純愛物語の結びのようで、不道徳な物語にもかかわらず優しい気持ちになります。どんな事でも善悪の判断を完全にはつけられないのだから、素直に人生を楽しみましょう、ということでしょうか。「ずっとあなたを見つめ、いとおしみ、…途中略…
私の命、私の宝」。
バロック音楽の時代をしめくくったバッハ、彼の生きた時代は八代将軍徳川吉宗とほぼ重なります。彼が壮年期に作曲した大作「マタイ受難曲」、中核となるソプラノのアリア「愛により、わが救い主は死にたまわん」では、イエスが人々の罪の身代わりとなり死刑を受けようとしていることが歌われます。前後におかれた合唱が「(イエスを)十字架につけよ」と叫ぶ間に置かれ、雲間から光がさすように感じられます。キリスト教の教義を超えて、さらには宗教をも超えて、全ての人を愛する慈しみの心が降り注ぎます。昨今の国際情勢をみるまでもなく、私たちには全ての人を愛することなどできませんが、私たち一人一人が皆かけがえのない存在であることを改めて思い返しつつ、皆様のご多幸をお祈りいたします。
(写真:バッハが後半生をすごした街ドイツ・ライプツィヒの旧市庁舎(現歴史博物館))
(2024.3.11 堺より S.K.) |
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バロック音楽(8)マタイ受難曲(Ⅱ) |
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全曲で3時間ほどかかる大作、バッハによるマタイ受難曲の中ほどに置かれているアリア「憐れみたまえ、わが神よ」は「ペテロの否認」として知られる場面を省察する曲です。最後の晩餐の後、イエスは弟子のペテロに「明日の朝までに私のことを否定するだろう」と予言します。これにペテロは「たとえ死ぬことがあってもあなたと一緒です」と答えます。その後捕らえられたイエスに対する公開尋問を見守っていると、長老たちはイエスを死刑にしようとしている様子です。その時、周りの人から「あなたもイエスの仲間では」と問われたペテロは恐ろしくなり「私はその人(イエス)を知らない」ときっぱりと答えてしまいます。これを受けてアリア「憐れみたまえ、わが神よ、滴り落ちる涙のゆえに」が歌われます。
このアリアではヴァイオリンのひときわ美しいメロディーに惹かれます。この流れるような旋律はあふれ出る涙を表現しているように思われます。一方低音はポンポンと途切れ途切れに奏されますが、こちらは地面に落ちる涙を表しているようです。ここで「私はその人(イエス)を知らない」というペテロの台詞はバリトン(男声)が歌うのに対し、イエスを否定してしまったことを悔いるアリアはアルトが歌います。このアルトはペテロの声というより人の声、私たちの声であると思われます。普段であれば「死ぬことがあってもあなたと一緒です」と言えても、いざとなると逃げてしまう、そんな弱さを私たち誰もが持っていることをバッハに教えられたように思います。
(写真:マタイ受難曲が初演されたドイツ・ライプツィヒ聖トーマス教会前に立つバッハ像)
(2024.2.27 堺より S.K.) |
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おながわみなと祭り |
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冬本番を迎えております今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。筆者が筆をとらせていただいております今日、仙台では冬の風物詩「光のページェント」が一際明るさを際立たせる時期となりました。街並みから目まぐるしい四季の移ろいを感じておりますが、時は半年ほど遡り、夏の風物詩について書かせていただきます。
今年の7月30日に、宮城県女川町で開催されました「おながわみなと祭り」に足を運んでまいりました。お祭りとしてはごくごく普通の催しなのですが、私が着目していたのは地域特性を活かした「海上花火大会」でございます。三方を山々に囲まれた女川湾の海上で打ち上げる花火は、音響が抜群で、鼓動を刺激する超巨大ドラムとでもいいましょうか、そんな大迫力のスターマインでした。加えて、もう1点、筆者がある意味驚いたのが(大変失礼なのかもしれませんが)、地方の田舎地域にしては予想外な楽曲「可愛くてごめん(HoneyWorks)」に合わせた音楽花火が組まれており、予想だにしなかったギャップもあり大変感動いたしました。ここ数年、他地域でも花火には触れておりましたが、今回の花火は所々工夫が施されており、最初から最後まで飽きずに楽しむことができました。この女川の花火を含め、今年は4箇所ほど花火を巡り、我ながら少しは夏を満喫できたのかと振り返ります。
そんなことを書いていると、脳内ではマライアキャリーのあの曲が流れてきました。季節が前後してしまい恐れ入りますが、皆様よい新年をお迎えください。
(2024.1.9 仙台より K.K.) |
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馬術部 |
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産学官広域連携センターのオフィスがある大阪公立大学 なかもずキャンパスには馬術部があります。大きい馬体が闊歩するのを見るのが好きで、オフィスから近いこともあり時折休憩時間に馬場へ出向きますが、厩舎近くで見る馬たちは本当に美しいです。
そんな馬場入り口に「非常時電源供給拠点プロジェクト」と、「学内ゼロエミッション活動」*1の看板があります。大阪公立大学は地域貢献事業として、馬術部の学生による大学周辺地域住民に向けた電源供給拠点運営(非常時に限り)に取り組んでいます。
活動内容は、キャンパス内の学生食堂などで出る廃食用油をリサイクルしてバイオディーゼル燃料を生産し、それを専用発電機で電力化します。平常時はその電力を馬術部で出る馬糞の堆肥化処理(コンポスティング)などに活用しており、災害発生時には馬術部への供給を最小限に抑えて、大学周辺地域住民に対して携帯電話などの小型電子機器の電源供給に充てるものです。
この活動は教職員指導の下、馬術部(コンポスティング)と自動車部(電力化の維持管理)所属の学生によって管理運営されており、学生による地域貢献上有意義な活動です。
*1)ゼロエミッション:1994年に国際連合大学が提唱した「廃棄物のエミッション(排出)をゼロにする」という考え方。
(2023.12.13 堺より R.I.) |
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片平まつり開催! |
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去る10月7日に片平まつりが開催されました。 近年はコロナ禍や台風の影響もあり、実に今回が6年ぶりの現地開催となりました。
金研では小学生と中高生を対象とした2つのコースの他、歴史を学ぶツアーやトークショー等、大人の方も楽しめる構成になっており来場者の皆さんも満足気な表情で帰路に就かれておりました。個人的にはマイナス200℃の低温下で超伝導物質を使った磁気浮上列車のおもちゃが走る姿が大変印象的で、小学生の見学者の皆さんと共に一瞬で科学の世界へ引き込まれました。
2年後の片平まつりも無事に開催されることを祈りつつ筆を置きたいと思います。
(2023.11.10 仙台より T.O.) |
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日本の近代化を支えた“廃墟の島” |
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10月に入り黄金色の稲穂が揺らめく秋を感じる季節となりました。
そんな中少し前の話ですが、コロナ禍での行動制限も解除され、今年の夏休みは久しぶりに遠出をしようと九州の長崎へ行ってきました。
以前からテレビ番組などで見て、とても気になる場所がありました。2015年に世界文化遺産に登録された端島(通称:軍艦島)です。端島炭鉱で取れる石炭は良質で、日本の近代化を支えてきました。南北480m、東西160mのこの小さな島は、石炭出炭量の増加とともに急成長をとげ、1960年頃の人口は5000人を超え、人口密度は東京の9倍で世界一の人口密度となったそうです。島内には、病院、学校、寺院、神社、派出所、映画館にプールまであり、完全な都市として機能していたそうです。
そんな繁栄を極めた軍艦島は、主要エネルギーが石炭から石油へ移ることにより衰退の一途をたどります。1974年に全ての住民が島から離れ、軍艦島は無人島となりました。
現在は“廃墟の島”ですが、繁栄当時の建物や生活の名残がそのまま放置され、昭和の生活を実感することが出来ます。年月の経過や台風の被害などで建物の崩壊が進んでいますが、建物が現存するうちに、みなさんもぜひこのミステリアスな“廃墟の島”を訪れてみませんか?
(2023.10.11 堺より M.T.) |
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SUPツアー |
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茹だるような暑さが続く今日この頃、皆さまいかがお過ごしでしょうか。仙台では真夏日が観測史上2番目の多さとなりまして(8/28時点)、今後も全国的に暑さが続くようで、熱中症には注意が必要になります。
さて、先日私は暑いこの時期に楽しめそうな今話題のSUPを体験してきました。 SUPはStand Up Paddleboardの略で、「サップ」と呼ばれます。サーフボードのような板に立ち、漂いながら海を眺めながらヨガをしたり、ペットと一緒に乗ったりと様々な楽しみ方ができるアクティビティです。近年人気になりつつあり、今年のドラマにも登場し話題になっています。
そんなSUPにいざ乗ってみると、バランスを保ちながらパドルを漕がなきゃならないため思ったよりも難しい。しかし、しばらく座りながら、潮の流れに逆らいつつ何度か練習しているうちにすぐ立つことができました。波に揺られながら眼前に広がる海を眺めていると、さながら忍者のような気分です。そしてあっという間に時間が流れてしまいましたが、非常にリフレッシュできました。
初心者の私はバランスを保つことに精一杯でしたが、今後色々な遊び方を試したいと思う、良い体験でした。 SUPは海や湖などで体験ツアーがあるようですので、皆様もぜひ水面に浮かんでみてはいかがでしょうか。
(2023/9/10 仙台より S.T.) |
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サステナブルバンブー |
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残暑お見舞い申し上げます。
暦上は立秋を過ぎましたが、旧暦では今年の「伝統的七夕」は8月22日です。そんな中、七夕の笹竹飾りにちなんだ興味深いお話を聞きました。
ある地方では昔、願い事を成就させるために飾り終わった七夕の笹飾りを川に流していたそうです。その笹竹を川下で回収し、枝葉をとった幹に当たる部分「稈(かん)」を竹竿として使用し、1年使用した竹竿を新調します。そして、切り離した枝葉は束ねて竹帚とし、これも1年使った箒を新調します。和紙で作った短冊で流れ残ったものは、天に願いが届くように神社でお焚き上げ。天然の素材が伝統行事を通して生活の中で巡っている様子が興味深いです。
さて、今年も8月6日~8日に「仙台七夕まつり」が開催されました。その盛大さは青森県「青森ねぶたまつり」、秋田県「秋田竿燈(あきたかんとう)まつり」と並び、「東北三大まつり」と呼ばれています。仙台市では「仙台七夕まつり」で使用された竹を回収し、再生可能な竹を分別して竹紙にする「仙台七夕竹紙プロジェクト」に参加しているそうです。それぞれの時代にあったサステナブルな試みです。
発芽から3年ほどで成木になり、資源としての供給が可能な竹は、脱プラスチックの代替資源の一つとして注目されています。竹の繊維を加工して生地にしたり、竹100%でできたトイレットペーパー、文具類、ストローやカトラリー、歯ブラシ、さらにはバイオエタノールとしての価値。このサステナブルな連鎖が定着しますように。
(2023.8.22 堺より R.I.) |
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観劇スタイルの変化 |
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趣味が観劇の私は、2020年1月に観た舞台を最後に暫く生の観劇はお預けでした。中止になってしまう作品も多く悲しい日々でしたが、思わぬ恩恵もありました。生配信をしてくれる舞台が増えたのです。
おかげで自宅にいながら舞台を観ることができるようになりました。ライブ配信だけではなく、アーカイブ配信という数日間見返せるサービスもあり、観劇日は都合が合わなくとも舞台を観ることができたり、気になるシーンを期間内に繰り返し観ることができたり、同時再生してお友達と通話しながら鑑賞ができたり。観劇の楽しみ方が増えました。
しかし、実は新たな悩みも生まれています。それは配信する舞台が増えれば増えるほど、観たい舞台が増えること。少し気になるな、くらいの作品でも簡単に観れるのが配信の良いところです。あれもこれもと選んでいるうちに、結局観終わらずに配信期間が終わってしまうなんて事態にも。計画的に観劇スケジュールを立てなければいけないのは、生でも配信でも同様のようです。
そんな新たな観劇スタイルを堪能しつつ、やはり生で観る舞台は格別なもの。今年は生の迫力を感じる機会が増えればいいなと思うこの頃です。
(2023.7.20 仙台より N.U.) |
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肉ガチャ |
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先日、地下鉄なんば駅で「肉ガチャ(お肉の冷蔵自動販売機)」を見かけました。最近、ユニークな自販機が増えたなと思っていたのですが、「肉ガチャ」は初めてです。
この販売機は、京都の精肉専門店「お肉のスーパーやまむらや」が展開するもので、2023年3月からOsaka Metro御堂筋線なんば駅ほか計4駅(谷町線の大日駅と天満橋駅、千日前線の鶴橋駅)に設置しているようです。
2021年11月に店舗前の1号機設置以来、現在は京都を中心に滋賀、大阪に約80台と増えており、その中でも駅構内に設置されるのは全国でも初めてという事ですが、注目すべきは「プレミアム近江牛肉ガチャ(3,000円)」。カルビやステーキなどが当たる中、大当たりは12,000円相当の近江牛ステーキなのだそうです。何が出てくるかわからない「肉ガチャ」ですが、当たるお肉は全て近江牛で、どれも値段以上のものを揃えているとの事。
何気なく歩く構内で、一際目立つ赤い自販機があったら立ち止まってみてはいかがでしょう。
(2023.6.22 堺より R.I.) |
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未来の杜せんだい2023 ~feel green!~ |
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第40回全国都市緑化仙台フェア 未来の杜せんだい2023が、仙台市青葉区川内追廻地区をメイン会場として開催(~2023.6.18まで)されています。毎年、全国の自治体が持ち回りで開催する全国都市緑化フェアで昭和58年(1983年)にグリーングロー大阪としてスタートしてから今年で40回目。宮城県では、平成元年(1989年)グリーンフェア仙台として仙台市泉区で開催して以来の緑化フェアです。
今回の会場は、広瀬川の河畔にある川内追廻地区に造られた大花壇[はなばた飾り]が広がり、サステナビリティ溢れる工夫のある暮らしに密着したハーブガーデンもあり、青葉山を見上げると伊達政宗騎馬像が見えます(写真)。総合案内所のすぐ近くには、初代政宗の胸像(騎馬部分から胸までは先の大戦で溶解されたのですが、殿のお顔だけはという市民の強い要望で残った部分です)もキリっとしたお姿でお迎えしてくれますよ。
また、仙台城ゆかりの[残月亭]が仙台市博物館より移設され、茶庭、雨庭とともに風情のある季節の移ろいを楽しむことが出来ます。おすすめは、苔ですね。歩いているとフォレッピ(キャラクタ)と会えるかもしれません。
仙台駅からメイン会場の道路沿い、勾当台公園、有名な青葉通り、定禅寺通りも花でいっぱいです。東部エリア会場も仙台市農業園芸センターを中心に、東日本大震災で失われたみどりを30年かけて植え育てていく取り組みなども見られます。どうぞこの開催期間中に仙台へおでかけください。欅並木も美しい季節となり、風も涼やかな杜の都へぜひ。
(写真は、メイン会場からみた青葉山の伊達政宗像、仙台松川だるまの装飾がお花、東部会場のバラ)
(2023.5.31 仙台より F.N.) |
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竹田城跡 |
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先日、竹田城跡(兵庫県朝来市/標高353.7m)に行ってきました。竹田城は室町時代、播磨・丹波から但馬への侵略を防ぐために、但馬守護大名によって築城されました。虎が臥せているように見えることから「虎臥城(とらふすじょう・こがじょう)」の異名もあり、残された石垣はとても立派です。織田信長の命令によって秀吉による但馬征伐が始まり、関ヶ原の戦い後に廃城になっていますが、江戸時代以前の山城に造られた石垣が完存しているお城は全国的にも貴重で、国史跡に指定されています。
晩秋の早朝、快晴の日には朝霧が発生し、その雲海に浮かぶ竹田城跡が「天空の城」と呼ばれるようになって久しいですが、その時期を外してもなお、城跡から見下ろす圧巻の景色に感動します。訪れた日は城跡にちょうど桜が満開で、古城山の美麗な春容を満喫しました。一般車両だと「山城の郷」で下車して、そこから徒歩で約40分。「山城の郷」から天空バスにて「中腹バス停」で下車して、そこから徒歩で約20分の道のりです。
帰路は但馬牛や丹波黒豆を堪能しながら、兵庫を堪能した一日でした。竹田城跡へお越しの際は観覧料や、季節によっては入場制限もあるようですので事前確認した方が良さそうです。
竹田城跡公式HP(https://www.city.asago.hyogo.jp/site/takeda/)
(2023.4.11 堺より R.I.) |
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